BACK NUMBER
『盲点とは』
~経営者のマインドセットの秘密 Vol.40~

こんにちは♪
エグゼクティブ コーチング トレーナーの
秋山 ジョー 賢司です。


今回は、【盲点】という
テーマでお話ししたいと思います。


盲点という言葉を私たちは日常で使います。
「見落としがちな問題点」ということですよね。


この「見落とす」ものの中には自分のパターン
も含まれます。


この見落としがちな自分のパターンは
「自分の脳のくせ」とも言えます。


さて、あなたは人間関係における自分の盲点
を知っているでしょうか?


ある社長さんからこんな相談を受けました。

  ↓  ↓  ↓
============================
Q:
先日、コンサルから指摘をうけた。


社員にヒアリングしたら、「社長にはなかな
か本音を言えない。提案しづらい」
という声がたくさんある、という。


考えられない!
私は普段から社員の話を聴くようにしている。


たとえば、新しいプランを進めるときも、
「これで進めようと思うけど、どう思う?」
と社員に尋ね、自分一人の意見にならないよ
うに気をつけている。


にもかかわらず、
本音を言えないとはどういうことなのか…?


こっちがちゃんと意見を聴いているのに、
本音を言えないなんて…。


自分の意見を言えない社員の方が問題です
よね!?


50代 A社長

===============

(A社長が、そこまで聴いてるのに
言わない社員がいけないですよね!)


部下の声に耳を傾けようとしているにも
かかわらず、部下から「本音を言いづらい」
と報告を受けたらショックを受けるのは
もっともですね。


(そうですよ!)


その一方、
A社長の「盲点」は何かわかりますか?


(盲点ですか?)
(なにかを見落としているってことですか?)


見落としてる…
ちょっとニュアンスが違うので…


では、
A社長の話の前に、
「盲点」について考えてみましょう。


実は、
人の目には構造上「盲点」が存在します。


(えっ?盲点って本当にあるものなの?)


はい。ありますよ。


眼球から脳に向かって視神経が出入りして
いる場所があり、
その場所を「視神経乳頭」と呼びます。


視神経乳頭には視細胞がないので、ここに
集まった光は、映像としてキャッチされない
ため映像に欠損が生まれてしまうのです。


その場所を「盲点」と呼んでいます。


(そこに映った部分は見えないの?)


そうです。


(でも、私たちは「欠損」なく、ちゃんと見
えてるけど…)


それは、脳がその欠損部分を「補正」して
いるからです。


(えっ?脳が補正!!)


そうです。
欠損部分の周囲の映像から「都合よく」補正
しているのです。


※盲点と補正の機能を体験出来る画像を見つけました。
興味のある方は、こちらを参考にしてください。
http://jujube-ex.jp/Ldr42/1431 
(※別の方のサイトに飛びます)


つまり、「盲点」とは、見落とす。
というよりは、見ることができない。
そして、その部分を都合よく補正する、
というメカニズムなのです。


(そうなんだ〜)


話を、先ほどのA社長に戻します。
目の中に盲点があり、それを補正する機能が
ある。


これと同じことが、人間関係を築く間でも
私たちの身体の中で行われているのです。


(どういうこと?)


つまり、自分には見えないけど存在している
パターンがある。
でも、それを自分の都合で「ないもの」に
補正してしまう、ということです。


(先ほどの社長さんの盲点はなんですか?)


A社長の盲点は「組織構造におけるパワーの
存在」です。


(パワーの存在?)


どんな組織であれ、ヒエラルキーがあります。
そのヒエラルキーの中では「パワーが存在す
る」という前提があります。


つまり、力関係が生まれている、
ということです。


それは、人事権、人員数、事業規模(予算)
などに影響を受け、その人の個性や能力とは
別に、パワーが発生しているということなのです。


(いやいや、フラットな会社だったり、
対等性を重視した会社もありますよね)


そのような会社も確かにあります。


それが可能なのは、パワーバランスの存在を
十分に理解していて、それを知った上で、
オープンな状態をどう作るかを意識的に
「努力」しているのです。


(そうなんだ…)


A社長は、気さくで部下にもよく話しかける
経営者です。


しかし、組織の構造上、そのようなパワーが
生まれてしまうということを知らないので、


自分の立ち居振る舞いや言動がどれくらい社員
に影響力を与えているかに気づくことができ
ていなかったのです。


結果として、A社長が社員に意見を求めても
本音を言いづらい状況になるのは当然なの
です。


(相手が返事をするときの雰囲気で気づくん
じゃないんですか?)


そこを「補正」してしまうのです。
「あっ、同意してくれたんだな」と。


(自分に都合のいいように、解釈していくん
ですね)


なので、
盲点は、自分一人では認識できません。


(じゃあ、どうすればいいですか?)


まず、信頼できる幹部に、
「自分が気づかずにしてしまっていること」
を聴き出すことです。


(自分の「盲点」を明らかにしていくのですね)


「盲点」を明らかにできたら、そのことに
ついて、どうなりたいか?と、アウトカムを
設定していけばいいのです。


(ちなみに経営者の盲点って、いろいろある
のですか?)


はい。例えば…
・話しているうちにヒートアップして言いたいことがズレる。
・自分が聞きたくない話をしているときに
「嫌だなオーラ」を出しまくっている。
・お金の話になると、急に不機嫌になる。
・「○○さんが、こう言ったから…」と自分の
判断を言う時に必ず誰かの意見を引き合いに
出す、などです。


(本人が気づかずに、望まないことを
たくさんしてるんですねぇ〜)


「盲点」は誰にも存在しています。
目の中に実際の盲点(視神経乳頭)があるように…。


ただし、それを知ってしまえば、
対応できるのです。


怖いのは、無意識が補正して、自分の中では
なかったことにしてしまう。そのことによっ
て、周囲との関係が崩れていくことです。


ですから、
自分の盲点は明らかにしてくださいね。


最後に【自分の盲点を知る】ための
Self Question をお伝えします。

Q私は、誰に自分の盲点を聴くといいだろうか?

Q自分の盲点を知り対応できたら、どんな
結果が生まれるだろうか?


あなたは、この質問になんと応えるでしょうか?
自分を活かす天才になる旅、今週も楽しんで下さい♪


*****************************************
Joeの自分を極める言葉
******************************************

相手には、すでにバレている。
 怖がる必要はない。

         by Joe


その昔、プレゼンの練習をした自分の動画を
見て唖然。すごく恥ずかしくなった。

けど、周囲の人は「これ、いつもの秋山さ
んですよ」と普通に話していた。

みんなには見慣れた光景。
だとするなら、この恥ずかしさは必要なの
だろうか?