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『コーチングしたら見当違いの答えが返ってくる』
~経営者のマインドセットの秘密 Vol.67~

エグゼクティブ コーチング トレーナーの
秋山 ジョー 賢司です。


『加速する社内コーチングの極意』シリーズ。


最後の第5回目は、
【質問したら見当違いの答えが返ってくる】
というテーマでお話ししたいと思います。

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Q部下に質問しても見当違いな答えが返って
きます。 どうしたらうまくいくでしょうか?

部下に考える癖をつけたい場合は、
オープン質問を使いなさい。

とコーチングの本に書いてあったので、
意識的に使っています。

・君はどう考えてるの?
・この場合はどうしたらいいと思う?
などです。

ですが、
全く見当違いの答えが返ってきて…
「はぁ?」 ってなることが多くあります。

オープン質問を使っているのに
上手くいかない。


こういう部下には、
どうしたらいいでしょうか?


50代 A社長

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(相手の答えを引き出すには
 オープン質問を使いましょう。
 と多くの本やコーチの方が言っていますよね)


ちなみに
オープン質問とは、
5W1Hの疑問詞を使う質問です。

Q 企画書はもう書き終わったの?
ではなく、

Q 企画書は<どこまで>書き終わったの?
と聴きます。


5W1Hの疑問詞を使って質問すると、
相手の思考が広がります。


と、ここまでよく言われるのですが…


(が??)


オープン質問にはとっても重要な法則があり、
それを守らないで使うと相手が混乱するのです。

実は、
オープン質問には、2種類あるのです。


(2種類のオープン質問?)


はい。
では、答えてみてください。

『4+4 はなんですか?』


(8です)


「なんですか?(what)」と聴いたので
これはオープン質問ですよね。


(たしかに)


では、
『足して10にしたいのですが、 
 何がいいですか?
 好きな組み合わせを教えてください。』


(じゃぁ〜、キリがいいから、
「5+5!」)


今度も「何がいいですか(what)?」と
オープン質問で聴きました。


(はい)


この2種類の違いがわかりますか?


(最初は、答えが決まっている。
 次のは、答えが決まっていない)


その通りです!


質問者が答えを持っていて
それを「当ててね」という意図のオープン質問と、


質問者が答えを持っていなく、
「あなたのアイディアを教えてね」
というオープン質問があるのです。


これを私は、
「当てろ系」のオープン質問と、
「教えて系」のオープン質問。
と分けて使っています。


(当てろ系!って面白い言い方ですね。笑)


(2種類あることはわかりました。
 これが、相談内容の「見当違いの答え」と
 どういう関係があるのですか?)


A社長は、
「部下から、見当違いの答えが返って来る」と
悩んでいましたね。


このセリフから、
A社長はどんな前提を持って部下に質問していたか、
わかりますか?


(あっ!
 A社長が答えを持っている)


その通りです。

A社長は、オープン質問を使って
相手に考える癖をつけたいと言っていたのですが、


自分の答えがあり、それを当てさせたい。
という考えが(無意識)にあったことが
わかりますよね。


そして、
部下が期待していた回答でなかったので、
見当違いな答えだなぁと嘆いているのです。


(それって、いけないことなのですか?)


そんなことはありません。
上司として部下に「こう答えてほしい」
という場面は沢山あります。


(では、何がいけなかったのですか?)


A社長が、
意識では、自分で考えて欲しい。
無意識では、当ててもらいたい答えがある。

と「混乱している状態」で質問すると、
相手も「混乱」してしまうのです。


ですから、質問する側が、

「答えを当てて欲しいのか?」
「あなたの答えを教えて欲しいのか?」

を自分で明確にしてから、
問いかけることが必要となります。


「当てろ系」で質問したいなら、

Q この場合、どうしたらいいと思う?
(ほら、あれだろ。いつも話しているだろ。
 当ててくれよな!)


「教えて系」で質問したい場合、

Qこの場合、どうしたらいいと思う?
(キミのアイディアを教えて♪)


この(かっこ)の中の文を
心の中で言いながら質問します。


すると、その意図が伝わるような
声のトーン、スピードに自然となり、
相手は混乱しません。


(なるほど〜)


「当てろ系」なのか、
「教えて系」なのか、
意識して質問してくださいね。



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  Joeの自分を極める言葉
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その質問は、
 当てさせたいの?
      教えて欲しいの?

      by Joe


「当てろ系」のオープン質問。
実は、これは親や先生が
頻繁に使っているのです。


「これは、どこに片付けるんだっけ?」
と母。

「この答えはなんですか?」
と先生。


この質問を沢山された私たちは、
相手の答えを当てないといけない、
という思考パターンが身についているのです。


「当てろ系!」のオープン質問。
「教えてね系」のオープン質問。

両方、使い勝手がいいので、
場面をよく見て、使い分けてください。