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『部下の内省力を上げたい』
~経営者のマインドセットの秘密 Vol.88~

エグゼクティブ コーチング トレーナーの
秋山 ジョー 賢司です。


今週のテーマ:
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自分を振り返れない部下の内省力を
上げたい。
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Q.一所懸命やっているのですが、
思いが空回りして、
顧客からクレームがくる部下がいます。

振り返る力をつけてもらいたいと思い、
いろいろと質問するのですが
「そんなことありません!」と
なかなか内省してもらえません。

このような部下に、
内省力をつけてもらうには、
どのように接すればいいのでしょうか?


30代 経営者

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A.コーチングするのをやめましょう。

事例で紹介しますね。

部下「顧客とコミュニケーションが
上手くとれず、クレームが来てしまいました」
上司「なんでいつもそうなるかわかる?」
部下「私は”ちゃんと”接しているつもりです」
上司「じゃあなんで、こんなにクレームが多
いのかな?」
部下「そんなこと…わかりません…」

この上司は質問をして、
内省してもらおうとしているのですが、
うまくいっていません。

なぜでしょう?

内省とは、自分にベクトルが向くことです。
しかし、この部下は何か理由があって、
ベクトルが自分に向けられないのです。

そのような状態の人に質問をしても、
全く機能しません。

そこで、部下が自分にベクトルが向くように
仕向ければいいのです。


どうすればいいのか?


上司のあなたが自分にベクトルを向けて
話してください。

先ほどの事例でやってみます。

部下「顧客とコミュニケーションが上手くとれず、
クレームが来てしまいました」
上司「それは、残念だなー。
君の思いを受け取ってもらえないとは…」
上司「どうしたら、君の考えを伝えられるのかなぁ?」
部下「ちょっと話し方を変えてみます」


先ほどとの違いはわかりますか?
違いは、質問しないで上司が、
自分の気持ちを伝える。これだけです。


上司は、「自分」の感想として、

・残念だなー
・君の思いが伝わらなかったとは…

と話しています。

つまり、
自分にベクトルを向けて話しているのです。


そして、ここ!!

「どうしたら君の思いを伝えられるのかなぁ?」

このセリフも、部下ではなく自分に向けて
話しているのです。

この違いがわかりますか?


コーチングとは、質問をすることで
相手の内省力を「深める」手法です。

ですから、
まず内省できる状態にしないといけません。


今回のケースのような場合は、
あなたが「自分」の感想として話しをします。
そうすると、相手は、
強引に内省を促されていないという印象を受け、
安心して自ら内省を始めるのです。

「押してダメなら、引いてみな」
といったところでしょうか?


コーチングしない。質問しない。
自分の感想として話す。


何故、俺がそこまでして部下を…
と思う方もいるかもしれませんが。

「いいんです!」

あなたが
自分を活かす天才に近づけるので。


是非、トライしてくださいね。

今週も自分を活かす天才を目指して!!


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今週のJOE語録
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「もっとモチベーションをあげようぜ!!」
 ってキミは言うけど、
キミの言っているのテンションだぜ。
             by Joe

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モチベーションとテンションは違います。
モチベーションは上がったり下がったり
するものではありません。

モチベーションとは、自分を突き動かす
エネルギーなのですから。